東京大学大学院 システム創成学専攻 粟飯原周二研究室


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アジアを中心とした急速な経済発展に伴い,エネルギー・資源や工業製品などの海上輸送量が急増している.これに伴い,コンテナ船の大型化も進み,1万個積みを超える超大型コンテナ船も出現した.このような船舶では,これまでに経験のない板厚が70mmを超える極厚鋼板がデッキに使用される.このような極厚鋼板の溶接構造物では,脆性破壊防止に対する対策が特に重要となる.

これまでの比較的薄い鋼板の経験では,脆性き裂が溶接部から発生したとしても溶接残留応力によってき裂は直ちに母材に逸れるために脆性き裂を停止(アレスト)させることができると考えられてきた.ところが,最近の極厚鋼板を使用した実験の結果,脆性き裂は溶接部に沿って長距離(1m以上)伝播することが明らかにされ,脆性き裂伝播制御に対する再評価が必要となった.

我が国の船級協会が中心となって,造船,鉄鋼各社の共同研究が実施され,大型コンテナ船の脆性き裂伝播制御に関する新たな知見が得られてきたが,いまだに未解明の点がある.そのひとつは,いわゆる「長大き裂問題」である.当研究室では,実験と数値解析によってこの問題を解決すべく研究を進めている.また,溶接部は靭性と溶接残留応力が複雑に分布しており,その中をどのように脆性き裂が伝播するかも重要な問題であり,これに対する研究も行っている.

テーマ詳細
溶接部き裂伝播モデル
脆性き裂伝播停止機構
き裂伝播の多結晶モデル
高速き裂伝播シミュレーション
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